第4回 なぜ「待つ」ことを レッスンで大切にしているのか

第4回 なぜ「待つ」ことを
レッスンで大切にしているのか
「先生、早く教えてあげた方がいいんじゃないですか?」
そんなふうに思われることがあります。
でも私は、
あえて少しだけ待つ時間を
大切にしています。
もちろん、
分からないまま
放っておくことではありません。
子どもが自分で考え、
自分の力で答えを見つけようとする、
その時間を大切にしたいのです。
現代は、すぐに答えが
手に入る時代です。
スマートフォンで検索すれば、
知りたいことはすぐに分かります。
でも人生は、
答えがすぐに見つからないことの方が
多いのではないでしょうか。
だからこそ、音楽を学ぶ中で
「考える力」を
育てたいと思っています。
レッスンでは、
「ここはどう弾いたらいいと思う?」
「この音はどんな響きがするかな?」
そんな問いかけをよくします。
最初は黙ってしまう子もいます。
でも、少し待っていると、
「こうかな?」
と、自分の考えを話してくれる
瞬間があります。
その小さな一歩が、
とても大切なのです。
自分で考え、
自分で選び、
自分で決める。
その経験を積み重ねることで、
子どもは少しずつ自信を育てていきます。
但し、逃げる選択はあとあと自分に返ってくること
しっかり説明してからですけどね。
ピアノは、ただ鍵盤を
押すだけの習い事ではありません。
楽譜を読み、音を聴き、
考え、工夫し、
何度も挑戦する。
その積み重ねが、
人生で困難に出会ったときにも
「自分で考えて乗り越える力」
につながっていくと
私は信じています。
だから私は、
すぐに答えを教える先生ではなく、
子どもが自分で答えを見つけられるように
寄り添う先生でありたいと思っています。
「待つ」ことは、
何もしないことではありません。
子どもの可能性を信じること。
そして、その成長を信じて見守ること。
それが、私がレッスンで
「待つ」ことを
大切にしている理由です。
音楽教育とは、
演奏技術だけを教えるものではありません。
人生を歩む力を育てる教育だと、
私は考えています。
